脳の構造

(脳の三層構造)

  

自分を理解するために・・・

 

「脳の構造を理解すると、自分の習慣や癖を変えやすくなったり、

思い通りに自分を動かせるようになります!」

そのための前知識としてここに紹介します。

 

1960年代に提唱された「脳の三位一体論」という仮説で、

「人間の脳は、太古の脳の基本的構造の上に、地層のように次の脳が付け足された形で進化して来た」です。

 

仮説では、

 

・生きるための爬虫類脳/反射脳/ワニやトカゲなど・・・原子爬虫類

・感じるための哺乳類脳/情動脳/馬や犬など・・・旧哺乳類

・考えるための人間脳/理性脳/急速に発達した・・・新哺乳類

 

とされていて、私たちの脳は、人間の進化の歴史に沿って、

高度な機能を順番に獲得してきたとされています。

 

ただし、「脳の三位一体論」は幻想だとして2000年以降の比較神経学者によって

否定されています。

 

ですが、脳の構造・特徴を理解しやすいモデルであることから、

「この指摘を理解した上で、人間の性質を学び、有効活用して

いきましょう!」というのがここでの趣旨です。

 

 

もしあなたが、自分についての理解を深めたなら、3つの脳の違いについて

知っておいてください。

 

 

3つの脳の特徴から、人間の三大欲求も分かります。

 

それは「生きたい・関わりたい(感じたい)・成長したい」です。

 

 

アメリカの脳進化学者ポール・D・マクリーン博士によって提唱されました。

「人間の脳は、長い生物進化の歴史と生命のリズムを内蔵している。」と

言っています。

 

 

 

 脳の三層構造

 


爬虫類脳:(反射脳)

頭蓋骨の一番奥深くにあります。

 

自律神経の中核である脳幹、大脳基底核、脊髄で成り立っていて、

役割は主に、生命維持や反射の機能や本能を司り、

交感神経や副交感神経をコントロールしています。

 

生きるために必要な脳です。

 

危険を察知したときに反射的に体が反応するのは、この脳の領域です。

 

また、縄張りに対しての防衛本能もありますが、生きるために必死なので、

自己中心的で、目の前の短絡的な欲求しか頭にありません。

 

 

無意識でする心拍や呼吸、体温調整、食べ物や飲み物を取ること、

性行動にも関係しています。

他にも、あいさつ・睡眠欲・支配欲などもこの領域の働きとされています。

 

 

無意識的に同じことを繰り返すことを習慣に、日常行動がパターン化

されています。

 

 

爬虫類脳は新しい行動が嫌いです!

先祖からの記憶に満ちていて、先祖の命令通りには働きますが、

新しい場面に遭遇した時は上手く機能せず、先祖の記憶に束縛されていると

されています。

 

 

つまり、「過去の経験にこだわり、新しいことは嫌い」「安全でいるためには、今までと同じことをしておけば良い」という性質があるということです。

 

 

 

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哺乳類脳:(情動脳)

偏桃体、海馬体、帯状回などが含まれる大脳辺縁系で成り立っています。

快不快に結びついた「泣き・笑い・アソビ」などから発生したと思われる

「喜び・愛情・怒り・恐怖・憎悪」などといった衝動性の感情をコントロール

しています。

 

つまり、「好き・嫌い」「快・不快」を感じるのはこの領域ということです。

 

 

特徴は群れで行動することです。

哺乳類脳によって得られる愛情は、自分と近い遺伝子を継承する確率を高めることに役立ちます。

子育てをする集団行動や、子供の保護という母性的欲求・本能の源泉です。

 

スキンシップは子育て中の哺乳類の発明です。

 

そして、男が狩りに出かけた後、子育ての場所に残り気候の安定化と共にて種まきや収穫などの農作業を発明したのは女性と言われています。

 

 

コミュニティーを築いたり、その中で自分を重要な存在と思わせたい事や、

権威に弱い性質もこの脳の影響かもしれません。

 

 

結果として「好き・快を求めるため、関わりたい気持ち」「嫌い・不快を避けるために関わりたくない気持ち」を生み出します。

 

 

 

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人間脳:(理性脳)

右脳と左脳の二つの部位から成り立っている大脳新皮質は、認知能力・言語能力・学習能力・創造的思考能力・空間把握能力などをコントロールしています。

 

人間と動物を隔てているものは、自分自身について考える内省能力であり、

内省によって得られる未来への思考能力です。

 

「創造的なことをしたい」「目標達成したい」「成長したい」という考えは、内省が出来るからこそですね

 

そして、「良し悪し」「損得」を考えるのもこの領域です。

例えば、「甘いものは好きだけど、ちょっと控えています。」というのは、

人間脳のなせる技ですね

 

 

 

 3つの脳のまとめ

 

3つの脳の特徴から、人間の3つの欲求が分かります。

 

「爬虫類脳」⇒「生きたい」

「哺乳類脳」⇒「感じたい」

「人間脳」⇒「成長したい」です。

 

 

ところが、爬虫類脳・哺乳類脳の影響力が、人間脳よりはるかに大きいために、私たちの日々の行動のほとんどを爬虫類脳・哺乳類脳に支配されている

といっても過言ではありません。

 

 

現代でも、日々の人間にとっての最大関心事、例えば配偶者や事業のことなど

最終的に選び、決めるのは情動脳のフィーリングと反射脳のヒラメキです。

反射脳から人間脳に伝えられて、意識して、分析するのでは遅すぎるのです。

 

要は、人間脳だけで情報処理ができず、常に、爬虫類脳や哺乳類脳と

連動しなければならない状態にあるということなのです。

 

対立してしまうと、感情や本能が勝ってしまうのです。

 

 

例えば、「頭でわかっていても行動できない」状態に・・・

成長したいという思いを打ち消してしまいます。

 

3つの脳は切り離して機能することが出来ないのです。 

 

 

もし、目的達成したいのであれば・・・

人間脳を鍛え、脳にストレスを与えないことが大切です。

人間脳は、ストレスがかかると働きが鈍くなり、プレッシャーや疲れなどで、

爬虫類脳の短絡的思考になってしまい、目的は頓挫してしまうということです。

 

 

目的達成で大切なことは・・・

いかに、爬虫類脳と哺乳類脳を味方につけるか?無視するか?

にかかっているのです。

 

考えて判断したことと実際の動きが違うのは、とてもつらいことですから・・・

周りから「なんでできなかったの?」なんていわれたり、思われては

心が折れてしまいます。

 

 

 

人間の進化が速すぎたために、3つの脳がうまく連動できずに、

多くの人が苦労しています。

 

マクリーン博士も「この3つの脳が同居していることが人間の苦悩である」と言っています。

そのため、人間脳が爬虫類脳と哺乳類脳をうまくコントロールできるかが

重要になります。

 

それが出来れば、思い通りの習慣が身に付き、目標を達成したり、

理想的な日々にすることができ、人生が変わってきます。

 

 

爬虫類脳と哺乳類脳は言葉機能を持たない「沈黙脳」とも呼ばれています。

しかし、それぞれの脳が外界からの非言語情報であるサイン(変化の兆候)や

シグナル(緊急行動指令)を読み取っていることが分かっています。

 

そしてそのことを、言葉を持つ人間脳が言葉にして表現しているのです。

 

 

 

 3つの脳、すべてに〇〇提案【悪用禁止】

 

爬虫類脳は、本能的に欲しいものを受け取り、欲しくないものを遠ざけます。

哺乳類脳は、好きなものを受け取り、嫌いなものを遠ざけます。

人間脳は、判断的に良いもの・利益になるものを受け取り、悪い物・不利益を

遠ざけます。

 

 

つまり、

妻が良かれと思って、夫や子供に直して欲しいことを指摘しても、

それを聞いた相手はそのことが心地よくなければ、その指摘や妻を遠ざけて

しまうということです。

 

それでは残念ながら、あなたの思いは伝わらず、何も解決しません。

 

 

そこで、知恵(人間脳)を使って、上手くいっている結果をイメージし、

それを導き出す言葉を探し、気持ちよい時を選び、フラットな状態で伝える

ということです。

 

でもそれをするには「自分がいつも心地よくいる」を心がけることが大切です。

 

 

※参考文献/「三つの脳の進化」ポール・D・マクリーン著(工作舎)