2種類の脳と3つの心

 

 

2種類の脳

 

脳は頭蓋骨の中にあって、いろいろな機能を持ち、複雑な構造をしています。

 

ここでは、大きく「原始的脳」「進化脳」の二つに分けています。

 

原始的脳とは、言葉を持っていない脳を指します。

爬虫類脳(反射脳)と哺乳類(情動脳)のことを指していています。

 

「原始的脳」が担っている機能は、生きていくための絶対に必要な機能です。

例えば、心拍・呼吸・睡眠・姿勢の維持(立つ・歩く・走る・座る)や、食欲・性欲、自律神経の働きなどです。

 

さらに、敵に対して恐怖・不安・怒りなどを感じる情動の部分もあります。

 

 

その一方で「進化脳」は、言語を持つようになりました。

言語は、大脳が進化した結果、獲得した人間特有の機能です。

 

さらに、記憶・思考・倫理・知覚・繊細な行動なども司っています。

 

人間が人間らしく存在するための、高度な精神や感覚などもこの脳に存在しています。

ヒトの脳は、原始的脳の上に進化脳が重なるようにできあがっています。

 

そして、脳はそれぞれの部分が独自の働きをしています。

その中には、心と思われる働きをする部分が二つ存在していたのです。

 

 

 

※ここでの心の定義は、「感情が動く」ということです。

 

3つの心

 

情動脳:大脳辺縁系

 

700万年という莫大な人類の歴史から見た時、ほとんどの間、狩りをして獲物を取る生活をしていました。

獲物を探し、「戦うのか逃げるのか」という命の危険と隣り合わせの生活です。

 

常に、恐怖・怒り・不安・悲しみ・喜び・敵を倒さなければいけない衝動など感じ続ける毎日を送っていたのです。この感情は情動といい、「原始的で本能的な感情」を指しています。

 

そしてこの感情こそが人間の「感情の源」なのです。

 

 

この情動を司っているのは、大脳辺縁系に属する「扁桃体」です。

扁桃体が、感覚情報をもとに、過去の記憶と繋げて、生理的に「快・不快」「喜怒」を判断しています。

 

扁桃体には、その時からの記憶が残っていて、今でも影響している可能性があります。

 

今の生活でいうストレスの日々は、生命の危険にともなう「戦うか逃げるか」というものではないですが、「社会生活」「人間関係」「複雑な情報時代」などに伴う情動といえます。

 

ですが、それもまた見えない物に対する不安や恐怖などと隣り合わせとも言えます。

 

 

情動を感じる扁桃体がある以上、不安や、恐怖、怒りなど感情は人間に存在いているということです。

 

 

この「原始的で本能的な感情」が一つ目の心です。

 

 

 

前頭葉:大脳新皮質

 

文明の発達によって、狩猟生活から農耕と牧畜生活に変わって、社会が変わりました。

人類も大きく進化しました。

 

 

それに伴い、「原始的で本能的な感情」を抑える必要が出てきました。

そのままだと、不安や怒り・憎しみなどから争いや戦い、戦争に繋がりますから・・・

 

そこでその役目を担うために発達したのが理性脳の中の「前頭葉」です。

大脳皮質の約30%を占めています。

 

扁桃体で感じた不安や恐怖・怒り・憎しみなどの情動を理性的な情報処理をして、情動を抑えていく役目を担っています。

 

つまり、「ヒトならではの理性的感情」に変換する役目です。

 

 

ところが、怒りなどの情動が生じてから前頭葉が働くまでには時間のずれがあります。

そのため、怒りのコントロール術としては、反射的に行動しないで、一呼吸おくことをお勧めします。

 

 

人間は、進化したことで、「前頭葉」を授かりました。

そして今、考えすぎによる「前頭葉」がオーバーワークしている状態になってしまっている傾向にあります。

 

いわゆる「頭でっかち」な状態です。

 

 

そうすると、ストレスが溜まり、怒っってしまったり、不安や心配が増えたり、バランスが取れなくなってしまいます。

 

扁桃体をコントロールするはずが、逆に不具合を起こしトラブる状態になってしまいます。

それは精神的にもよくありません。

 

「脳を休める」ことも必要です。

 

 

 

胸のところ:

 

小さい時から「私は」と自分を表現する時、胸のところで両手を合わせます。

それは、母から母乳を含ませてもらい、母と繋がっていただいた命を表しています。

 

母は産まれた命が自分と繋がり、生きていくことを喜び、その喜びが『愛』となり「母性」となり子供に伝わっていきます。

 

この本能的ともいえる『愛という感情』「母性の感情」です。

 

 

 

※女性特有の感情とも言えますが、今生、男性だからといってすべての前世が男性だったとは限りません。

女性だったり、男性だった李を繰り返していますから男性にも通じるはずです。

※参考文献

・「三つの脳の進化」ポール・D・マクリーン著(工作舎)

・健康管理士専用教本(非売品)